ロス在住Kのビール日記 - 第1回

デザインは味を凌駕する

素性を隠しているので別に隠すこともないのだが、何を隠そう私はお酒が好きだ。
ビールはもちろん好きだけど、飲みにいけば日本酒から焼酎、ワイン、ブランデーに至るまで、アルコールが入っていれば何でも飲む。ついでに言えば別にビールはなくてもいい。ビールのサイトでこんなことを書いては元も子もないが、そこは「自由の国アメリカ」。
好き勝手に書かせて頂きたい。

ロス市内に張り巡らされたSPIDER-MAN3の広告
[ロス市内に張り巡らされたSPIDER-MAN3の広告]

今月、映画SPIDER-MAN3が公開されたが、公開直前はロスの街は至る所その広告で埋め尽くされていた。こうなると人間の脳は、その映画を観るかどうかは別としてその広告のイメージが自然と焼き付くものだ。事実その証拠となるような事件が先日起きた。スーパーのお酒コーナーをうろうろしていた時、突然脳内に電流がほとばしった。いわゆる「ビビッときた。」というやつだ。なんとそこには、スパイダーマンのスーツを身にまとったバドワイザーが鎮座しているではないか。

思わず買ってしまったのは言うまでもない。バドワイザーと言えば誰でも思い浮かべるお馴染みのデザインがあるけれど、この缶は形状もパッケージデザインも従来のものとは全く違う。飲んでも味は変わらないはずなのだが、何故だかこちらのほうがおいしく感じてしまうのである。さらに二次的効果として、自分が正義のヒーローになったような気になってくるから不思議だ。

そう、デザインは味を凌駕するのだ。

両者に広告戦略上の提携などがあったわけではなく、偶然似てしまっただけのようだが、これを見て私は思った。

「バドガールもこのデザインにすればいいのに。」

よくよく調べてみると、今まで水着だと思っていた彼女達のコスチューム、実はバドスーツと呼ばれているらしい。こうなって来るとなおさら惜しい。 もしも私が配給元のソニー・ピクチャーズエンタテインメントの広報担当だったら、間違いなくバドガールを起用して、新宿あたりで新しいデザインのバドワイザーを配りながら映画の宣伝をしたのに、、、と思い夜の東京に思いを馳せるのだった。

2007.05.22 ロサンゼルスにて K

著者紹介

運営メンバー(サブ)の中では珍しく調整型の人。某企業で、CGをやっている。

技術畑のくせに、 類をみないバランス感覚の持ち主であるため、ビールの味にはさぞかし客観的な分析をすると期待するのが筋というものだが、 私が知りうる限り、彼ほどのヘベレケぶりを見せる人もなかなかいない。
途中からは、 言うならば、飲めればいいや的なかんじになる。ふだんの調整系スマートキャラはどこへ行ってしまうのというくらいの ビリーミリガン的な変貌を見せる。

しかしながら、彼のものの見方もかなり独特であり、どうでもいいものをアートと感じてしまう、そのセンスは ややスノッブな臭いも感じつつも、わりと面白いなーと舌を巻くときもあるので、 彼のたまに見せる、スマッシュヒットに期待したいものである。
現在仕事で約1年ほどロスに赴任中。

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