ビール用語集

あ行

アメリカンエール
【アメリカン・ペールエール】アメリカ上面発酵
アメリカ発祥。アメリカ産のホップを用いた上面発酵ビールで、鮮烈なホップの香りと強い苦味が特徴。
アルコール度数は約4.5-5.5%
【アルト】ドイツ上面発酵
ドイツのアルトシュタットという地域で飲まれているビール。上面発酵、低温熟成で造られ、濃色が特徴。アルトとはドイツ語で「古い昔から」を意味し、「淡色・下面発酵タイプ」以前のビールということができる。アルコール度数は約4.3-5%
【アビィ】ベルギー上面発酵
修道院(アビィ)で造られるビールと同様の製法で醸造されたビール。氷砂糖を使用しており、淡色でまろやかな口当たりが特徴。
イングリッシュペールエール
【イングリッシュ・ペールエール】イギリス上面発酵
イギリス南部のバートン・オン・トレントが発祥。淡色で、ホップの苦味が強く、フルーツのような甘みと香りが特徴。イギリスでエールビールといえばこのビールを指すくらいのイギリスを代表するスタイル。アルコール度数は4.5-5.5%
【イングリッシュ・ブラウンエール】イギリス上面発酵
イングランド北部のニューキャッスルが発祥。アルコール度数が低く、苦味が弱く、飲みやすいビールとしてイギリスではポピュラー。アルコール度数は4-5.5% ※ベルギービールのブラウンエールとはまた別。
【インディアン・ペールエール】イギリス上面発酵
大航海時代、インドがイギリスの植民地だった頃から造られていたビール。イギリスからインドへの長い船旅の中で、ビールが痛まないよう、防腐のために大量のホップが投入された。そのため、高濃度でホップの苦味が効いた味わいが特徴のビールになった。現在のスーパープレミアムと呼ばるのがこれにあたる。アルコール度数は5-7.5%
【インペリアル・スタウト】イギリス上面発酵
18世紀後半のイギリスが発祥。主にロシア皇帝に向けて輸出していたため、この名が付いた。ホップとモルトの風味が濃厚で、モルトの甘みがホップの苦味をほどよく打ち消している。アルコール度数は7-12%
【ヴァイス/ヴァイツェン】ドイツ上面発酵
ドイツのバイエルン地方特産の小麦を50%以上原料として使用しており、フルーティーですっきりとした味わいが特徴。ドイツ語で「白いビール」を意味する上面発酵ビール。アルコール度数は4.9-5.5%
【ウィーナー/ウィンナー/ヴィエナ】オーストリア下面発酵
オーストリアのウィーンが特産の下面発酵のビール。赤みのあるウィンナーモルトを使用しており、赤みを帯びた中濃色のビール。アルコール度数は4.8-5.4%
【エール】
上面発酵で醸造されるビール。イギリスやベルギーで主流とされており、近年までは原料に麦芽を使用することはなかった。下面発酵のビールよりもアルコール度数が高いことが特徴。
【エステル香】テイスティング
リンゴやバナナなど、柑橘類のフルーツ臭・フルーティーな香り。
【オートミール・スタウト】イギリス上面発酵
大麦にオーツ麦を1割程度混ぜて造られたビール。甘い香りと味が苦味にバランスよく混ざったスタウト。アルコール度数は3.8-6%

か行

【下面発酵】
ラガービールの醸造に用いられることから、ラガーイーストとも呼ばれる。上面発酵酵母よりも発酵の速度は遅いが、すっきりとした味わいを生む。
【カラメル香】テイスティング
麦芽を焙焦するときに麦芽の糖分の一部がカラメル化することで発する香り。糖分が焦げたような香ばしく甘い香り。
バーレーワイン
【ギネス】
1756年にアイルランドで創業されたビール醸造会社。ギネスビールはエールビールのなかでもスタウトの代名詞とされ、ビターな味わいで親しまれる黒ビールである。現在50カ国以上で生産されており、日本ではサッポロビールが販売権を取得している。
【ケルシュ】ドイツ上面発酵
ドイツのケルンが発祥で、アルトビールの一種。上面発酵、低温熟成で造られている。淡色の麦芽を使用していることから淡色で、フルーティな味わいが特徴。アルコール度数は約4.8-5.2%
ビール酵母
【酵母】
酒類を醸造するときに使用される発酵菌。ビールの醸造では上面発酵・下面発酵の酵母に大別される。酵母は麦芽に含まれる糖分を食べることで麦汁を発酵させ、アルコールと炭酸ガスを作り出し、それがビールの元となる。

さ行

【スタウト】ドイツ上面発酵
アイルランドを起源とし、ギネスビールの手本になった。スタウトは英語で「強い」を意味し、アルコールが度数8%前後と高いのが特徴。黒ビールよりもさらに色が黒く、鋭い苦味を有する。
【スイート・スタウト】イギリス上面発酵
イギリスが発祥。スタウトに砂糖を混ぜたもので、カラメルやチョコレートのフレーバーが甘さを際立たせている。アルコール度数は3-6%
【上面発酵】
エールビールの醸造に用いられている常温・短期間で発酵させる醸造方法。(18から25℃の常温) 発酵を終えると酵母が上面に浮かんでくる特徴があるため、上面発酵と呼ばれている。 イギリスでは古くからこの方法でビールを製造していた。

た行

トラピスト
【トラピスト】ベルギー上面発酵
トラピスト修道会で醸造されている上面発酵のビール。世界中で171あるトラピスト会修道院のうち、7箇所のみでの醸造が許されている。瓶の中でも発酵を続けるのが特徴で、アルコール度数は6〜10%

は行

【発泡酒】
酒税法における酒類の分類のひとつ。酒税法では雑酒に分類される。原料の中で、麦芽の割合が67%未満の酒類で、発泡性を有するものがこれにあたる。
バーレーワイン
【バーレイワイン】イギリス上面発酵
ストロングエールとも言われ、イギリスでワインの代わりに醸造されたことを起源とするビール。半年〜10年もの長い熟成期間を要し、ワインに近い高いアルコール度数を持つことが特徴。シャンパン酵母など複数の酵母を混ぜて発酵させる。あわ立ちは少なく、独特の酸味がある。アルコール度数は8.4〜12%
ピルスナー ウルケル
【ピルスナー】
チェコのピルゼン地方を起源とする淡色のラガービール。ホップの苦味が印象的で、スッキリした味わいを特徴とする。日本の大手メーカーが製造するビールの大半がこのピルスナースタイルのビール。
【フォーリン・スタウト】イギリス上面発酵
アイルランド発祥のドライスタウトが海外で進化したもの。ホップの苦味や香りは控えめ。アルコール度数は5.7〜7.5%
【ポーター】イギリス上面発酵
18世紀前半にロンドンで生まれ、荷役運搬人(ポーター)の間で最も親しまれたビール。黒ビールの代名詞であるスタウトの前身で、スタウトに比べライトな味わいが特徴。アルコール度数は5〜6.5%
【ボック】ドイツ下面発酵
14〜15世紀、北ドイツのアインベックで生まれ、バイエルン地方で発展したストロングビール。アルコール度数が約6-8%と高いのが特徴。基本となるトラディショナルボックのほかに、ヘレスボック(色が薄くマイボックとも呼ばれる)、ドッペルボック(アルコール度数が6.5-8%と高い)、アイスボック(ドッペルボックを凍らせ、アルコール度数を8.6-14.4%にまで上昇)に分化される。
【ホップ】
アサ科の多年草で、毬花がビールの苦味を生み出す原料となる。この苦味成分には雑菌や黴の繁殖を防ぐ役割があり、苦味と泡を安定させる作用を持つ。
ヒューガルデン・ホワイト
【ホワイトビール】
大麦のほかに小麦麦芽を使用したビール。淡色(黄色がかった乳白色)で、苦味は弱く、フルーティーな香りが特徴。ベルギービールの中でもヒューガルデン・ホワイトは日本でもかなり親しまれている。

ま行

【マイルドエール】イギリス上面発酵
イングランド中部のウルヴァーハンプトンが発祥。ホップの苦味が弱く、モルトの甘みを持つ。アルコール度数は弱く、3.2-4%

ら行

【ラガー】
下面発酵で醸造されるビール。麦芽を原料とし、10℃以下の低温で長時間熟成させながら発酵を行う。発酵を終えた酵母は下層に沈む特徴があるため、下面発酵と呼ばれている。
【ランビック】ベルギー自然発酵
自然発酵で醸造されるビール。シャンパンのような独特の香りと強い酸味が特徴。ベルギー・ブリュッセル近郊で醸造されたものが上級品とされている。